2014年11月25日火曜日

「第2回私はストーブだ!」にストーブ出品

「第2回私はストーブだ!」に、自作のストーブを出品しました。 今回の出品は、開発中の「セメントスリムロケット」です。

 この素材は、耐火セメント(アサヒキャスター)です。構造は基本的に、吸気口から煙突の排気口まで、円筒がロケットストーブ特有のJ字型になっています。
 1番の特徴は、セメントだけど極力、重量を抑えて、全体で約40kg程度、つまり大人1人より軽くなるくらいに仕上げています。なので、今後、屋内に設置することになっても、耐火さえ対応していれば床を補強しなくて済むはずです。また、4つのパーツに分解でき、1パーツあたり15kg未満の重量なので、大人なら運ぶことが可能です。接合は、ステンレス薄板をビスとナットで締め付けるようにしています。セメントなので、一般的に鋳物の薪ストーブやペール缶やドラム缶のロケットストーブより、ヒートライザーの蓄熱性が抜群で、耐熱性能も高いので耐久性もあります。
 2番目の特徴は、燃料の投入口が、2つのステンレス煙突になっていることです。これは、吸気側の燃料投入口は、細い薪や小枝を入れ、もう一方は、太い薪を入れてフタをして使います。これにより、細い薪から安定的に起きる火で太い薪が蒸し焼き状態になり、長時間、可燃性ガスを発生させることを狙っています。1つの燃料投入口で、細い薪と太い薪を混在すると、薪が管の中で引っかかり、下の燃焼部に届かずに消えることがあるので、この構造にしてみました。2、3回テストした限りはうまくいきそうです。
 製作上のポイントは、セメントの型枠に、ボイド管を使っているところです。ボイド管とは、コンクリートの円筒型の独立基礎を作る為の段ボールでできた型枠の建築資材で、ホームセンターでもいろんな径のものが売っています。この径の違う2本の隙間に、セメントを流し込むことで、ストーブの円筒ができます。あとの細かい型枠部品は、薄いベニヤ板を切って、張ってます。このとき、どうしても隙間ができるので、やっぱり建築資材のシリコンシーラントで隙間を埋めます。シリコンシーラントは圧倒的に安いので、ガンガン使えます。セメントが固まると、こうやって精魂込めて作った型枠を壊さなければならないのが、精神的にキツいです。量産のときのアイデアはありますが、今回は研究なので使い捨ての型枠で済ませます。
 細かい点ですが苦労したのは、耐火ガラスで燃焼部へ窓を付けた部分です。燃焼状態を確認したいので。この部分の型枠や、耐火ガラスを抑えるトタン板の板金、その気密を保つための耐火ヒモの製作と微調整が、神経使って疲れました。
 あと、吸気口から細いステンレスパイプを数本入れて、J字部分で2次燃焼(1.5次?)させようとしています。うまくいってるか、まだ判断できてませんが。このステンレスパイプは、燃焼部の底になるので、セメントに比べ、初期着火時の燃焼部の即時温度上昇にも役立っているはずです。
 この素材と構造で制作できることが分かったので、これからは思い切り燃焼効率をあげて、超高温にして研究ができます。今後は、ヒートライザーをさらに断熱したり、煙突を付けたり、断熱した台座など、まだまだ改良のアイデア満載です。

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